ヌサンタラブログ
2025/10/24 10:44

世界最大の群島国家・インドネシアには、地球上でもっとも多様でユニークな野生動物が暮らしています。赤道にまたがる17,000以上の島々には、熱帯雨林やサンゴ礁など豊かな生態系が広がり、数えきれないほどの生き物たちの楽園となっています。
「ヒクイドリ」もその代表です。

名前から背が低い鳥だと思われがちですが、漢字では「火喰鳥」と表します。ヒクイドリの頭と首の色から、昔の中国では火を食べて生きていると信じられていたことが由来だそうです。日本では、江戸時代初期に平戸藩(現:長崎県平戸市)から江戸幕府に献上されました。当初は同じく飛べない大きな鳥であるダチョウと勘違いされ、「駝鳥」という表記でヒクイドリが描かれていました。また羽を触れると魔除けになるとのことから、実物に触れた人もいたと記録されているようです。
ヒクイドリの生物学的特徴は、真っ黒な体に水色の顔で、頭の上にモヒカンのような突起物があります。首の部分が青く、赤色の肉垂が垂れ下がっています。この部分は、怒っている時や異性にアピールしたい時は色がより鮮やかになります。翼は退化し、羽の部分がかろうじて小さくあるのみで、体はオスよりメスの方が大きいです。
nusantaraのオンラインショップでも、ヒクイドリを見たことがありませんか?パプア産のコーヒー「KOPI Moanemani(コピ モナマニ)」のパッケージに描かれている鳥も、ヒクイドリです。

主に、ニューギニア島やオーストラリアのジャングルの中に生息し、一日中食べ物(特に果物)を探している食いしん坊です。しかし食べたものを完全に消化せずに排泄するため、果物の中に残った種が発芽し、新しい木へと生長します。つまり、ヒクイドリがたくさん食べてたくさん歩くと、森が豊かになります。卵は森の中で草木の色にまぎれて、天敵から見つからないように緑色です。
日本でも福岡県にある久留米市鳥類センターと福岡市動物園、埼玉県にあるハイブリッド・レジャーランド東武動物公園でヒクイドリを見ることができます。また、愛媛県立とべ動物園ではヒクイドリだけでなく2番目に大きいパプアヒクイドリも見ることができます。
皆さんも機会があれば見に行ってみてくださいね!



